

ワインについて
Rosso Racines(ロッソ・ラシーヌ)
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タイプ:赤ワイン
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品種:バルベーラ100%
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畑:標高250m、南西向き/粘土石灰質土壌
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醸造:セメントタンクで30日間マセレーション後、ステンレス、セメント、または木樽で30〜36か月熟成
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特徴:トリンケーロの代名詞ともいえるバルベーラ。若木や冷涼区画のブドウを用い、日本向けに特別醸造。エントリーレベルながら30〜36か月の長期熟成を行い、しっかりとした果実味と味わい。マセレーションによって果皮由来の成分が十分に抽出され、濃密で豊かな香りをもつ。
トリンケーロ(Trinchero)
ピエモンテ州アスティ県アリアーノ・テルメに拠点を構える家族経営ワイナリー。1920年代から同地で高品質なバルベーラを育て、1952年にはアスティ県で初めて自家元詰めのための登記を行った先駆者です。現当主エツィオ・トリンケーロは3代目で、自然環境を尊重した農業と、人為的介入を極力避ける醸造を実践。「納得できないワインは瓶詰めしない」という哲学を貫き、大樽による長期熟成を理想としています。
かつては40ha以上の畑を所有していましたが、現在は最上区画13haに集約。その中でも特に重要なのが、1920年代に植えられたバルベーラの古樹が残る「ヴィーニャ・デル・ノーチェ」と、1930年代植樹の「バルスリーナ」です。粘土質で肥沃なアスティの土壌により、施肥をせずとも凝縮感と高いアルコール度を備えた果実が育ちます。栽培は有機的アプローチで、ボルドー液以外の化学薬剤は使用しません。主要品種はバルベーラですが、他にも約10品種を単一品種で醸造しています。
エツィオは1980年代以降、白品種の導入やマセレーションを伴う白ワイン造り、バリックから小型ボッテへの回帰など、多くの実験を重ねながらも「アスティらしい味わい」を探求。長熟型のエレガントなバルベーラを世に送り出してきました。評論家マット・クレイマーも、ヴィーニャ・デル・ノーチェを「伝統的製法による最も偉大なワイン」と評しています。
トリンケーロのワインは、凝縮感と気品、そしてアスティの土地柄を余すところなく映し出す味わいで、ピエモンテの古き良き職人気質を現代に伝える存在です。