
ワインについて
【どんな造り手?】パラッツォーネ
パラッツォーネとはイタリア語で「大きな館」を意味します。その名は、1299年に巡礼者の宿泊施設として建てられた歴史的な館に由来しています。1969年、ドゥビーニ家がこの館と周囲の土地を取得したことからワイナリーの歴史が始まりました。
ウンブリア州オルヴィエート近郊のロッカ・リペセーナに位置するパラッツォーネは、現在三代にわたり家族経営を続ける、オルヴィエートを代表する生産者のひとつです。畑は標高200〜350mの東向き斜面に広がり、海の堆積物を含む粘土石灰質土壌と火山岩土壌という異なるテロワールを有しています。この個性的な土壌の違いを表現することが、彼らのワイン造りの大きな特徴です。
パラッツォーネは、プロカニコ、グレケット、ヴェルデッロ、マルヴァジアといったオルヴィエート伝統品種を大切にしながら、土地の個性を映し出すワインを生み出しています。粘土質土壌からはふくよかで親しみやすい「テッレ・ヴィナーテ」、火山岩土壌からは緊張感とミネラルを備えた「カンポ・デル・グアルディアーノ」が造られ、それぞれがオルヴィエートの異なる表情を伝えています。
また、彼らは地域に受け継がれてきた伝統にも深い敬意を払っています。混植混醸という古来の栽培・醸造方法を復活させた「ムスコ」は、電力を一切使用せず、栗樽とダミジャーナを用いて仕込まれる特別なワインです。さらに、パーリャ川沿いに発生する霧が育む貴腐ブドウから造られる「ムッファ・ノービレ」は、オルヴィエートが誇る伝統的な甘口ワインとして高い評価を得ています。
歴史ある館が見守る丘の上で、土地の個性と伝統を未来へつなぐパラッツォーネ。彼らのワインには、オルヴィエートという土地の記憶と魅力が丁寧に刻み込まれています。
【白】ピノ・グリージョ・ラマート
ヴィンテージ:2024 品種:ピノ・グリージョ
【どんなワイン?】
Pinot Grigio Ramato(ピノ・グリージョ・ラマート)
パラッツォーネを訪問した際、その味わいに惹かれて特別に取り寄せをお願いした一本です。
「Ramato(ラマート)」とはイタリア語で“銅色”を意味し、果皮が淡いピンク色を帯びるピノ・グリージョを短時間果皮とともに醸すことで生まれる伝統的なスタイルです。近年はフリウリのラマートが注目されていますが、パラッツォーネではウンブリアの土地ならではの個性を表現しています。
粘土質土壌で育ったピノ・グリージョをやさしくプレスし、短期間のスキンコンタクトを経てステンレスタンクで発酵。グラスには美しい銅色のニュアンスが現れ、白い果実や熟した洋梨を思わせる香りが広がります。
口当たりはふくよかでありながら引き締まったミネラル感を備え、果実味と旨味が調和した味わい。余韻にはピノ・グリージョらしい芳醇な果実香が心地よく続きます。
魚介のスープや甲殻類を使った料理はもちろん、ラグーソースなど肉の旨味を活かしたプリモ・ピアットとも好相性。白ワインとオレンジワインの魅力を併せ持つ、食卓で活躍する一本です。