ワインについて
イル カンチェッリエーレ
ナポリから東に75km、タウラージの生産地域の中心部にあるアヴェッリーノ県の、人口2800人の小さな村モンテマラーノ郊外にある家族経営ワイナリー、イル カンチェッリエーレ。ワイナリー名のイル カンチェッリエーレは、読み書きができない地元の農民たちのために家々をまわり、彼らの助けをしていたソッコルソ爺さんの祖父のあだ名「O’Cancelliere(特定の国家的官職を示した)長官」から取られました。
ロマーノ家は、この地域で1800年代半ばからブドウ栽培を中心とした農業とワインの醸造で生計を立ててきました。それまでのタウラージの農家と同様に、大半のブドウを仲買人や大規模ワイナリーに卸し、自家消費用と常連客用の量り売りワインの生産をしていましたが、カンティーナ ジャルディーノのアントニオ デ グルットラに背中を押される形で、母パスクアーレから多くの仕事を引き継いだ娘ナディアと義理の息子クラウディオを中心に2005年のブドウから自家ボトリングでのワイン販売を開始しました。
ワイナリーに隣接した、標高450~630mの7ヘクタールの畑は、ソッコルソと息子エンリコ、娘リータによって管理され、除草剤などの化学農薬は使用せず、ボルドー液のみを使用し栽培を行っています。自分たちの土地が持つ環境を出来るだけシンプルにワインで表現するため、この地域の伝統と、ロマーノ一族が育んできた農民の知恵と経験を活かしたブドウ栽培とワイン醸造を行いながら、年間約2万本を生産しています。
Taurasi Nero Ne' a-yuki!(タウラージ ネーロ ネ ア ユーキ)
品種:アリアーニコ
所有している畑の中でも標高が最も高い550~630mにある樹齢約35年のアリアーニコを収穫、除梗し軽く潰した後、温度管理をせずに30日間のマセレーションとアルコール発酵行い、空気圧式プレスで圧搾。ステンレスタンクにて細かい澱とともに6か月間、醗酵の続きと熟成を行い、3500~5000リットルのスラヴォニア産のオーク樽で24か月間の熟成、無濾過、二酸化硫黄無添加で瓶詰め後も24か月間熟成をさせる。