

ワインについて
【どんな造り手?】デ・フェルモ
アブルッツォ州中部、ペスカーラから西におよそ30km、イタリアを代表する生産者エドアルド・ヴァレンティーニのセラーがあるロレート・アプルティーノの郊外に、デ・フェルモ家の広大な農場があります。170ヘクタールにおよぶ敷地では古くから農業が営まれてきましたが、ボローニャ出身のステーファノ・パペッティが妻エロイザの実家に戻り、2008年から1ヘクタールの畑を借りてブドウの栽培を始めたことが、現在のワイナリーの出発点となりました。当初はブドウを育てても自分たちで醸造することは難しく、2008年と2009年の収穫はすべて売却していました。
転機となったのは、誰も開けたことのなかった屋敷の扉が開かれた時です。54年ぶりにその扉の奥が明らかになると、そこにはかつてのワインセラーが眠っていました。調べてみると、この土地は10世紀に修道士がブドウ栽培を行っていた由緒ある場所であり、さらに1785年から1955年まではデ・フェルモ家がワインを造っていたことが分かりました。こうしてステーファノは2010年の春に初めてモンテプルチャーノ5トンを仕込み、本格的にワイナリーとしての歩みを再開しました。
その後は2011年にシャルドネ、2012年にモンテプルチャーノからのチェラズオーロ、2013年にはペコリーノの醸造へと広がり、農場全体の管理を一手に担うようになりました。現在ブドウ畑は海抜320mの粘土質土壌に広がる17ヘクタールで、毎年もっとも出来の良い区画だけを自ら醸造に用い、それ以外のブドウは売却するという贅沢なスタイルを貫いています。年間生産本数は約4万本。ワインだけでなくオリーヴや豆類、小麦も栽培しており、いずれもビオディナミ農法に基づいて育てられています。
醸造においてはできる限りシンプルで自然な方法を重視し、発酵や熟成にはセメントタンクや使い込まれたトノー、スラヴォニア産の大樽を使用。清澄や濾過は行わず、酸化防止剤も樽の移し替えや瓶詰めの際に必要最小限だけを加えるにとどめています。こうして造られるデ・フェルモのワインは、アブルッツォの大地の力強さと透明感を併せ持ち、この土地の歴史を現代に受け継ぐ存在となっています。
【赤】プローロゴ・モンテプルチアーノ・ダブルッツォ
ヴィンテージ:2022 ¥6380 品種: モンテプルチャーノ
【どんなワイン?】
プローロゴはイタリア語で「プロローグ 序章」を意味し、デ フェルモの初めてのワインを指す。モンテプルチャーノ ダブルッツォDOCでリリースされている。樹齢25年のモンテプルチャーノをコンクレーテ ロッソよりも遅摘みしたものをセメントタンクにてマセレーション(マセレーション)とアルコール醗酵を2?3週間行う。その後一度搾ってからタンクに戻し、タンク内をワインで一杯にせずに液面が空気に触れた状態で二次醗酵が終わるまで、そのままの状態で2~3週間、その後大樽で15~18ヶ月の熟成を行い、ノンフィルターでボトリング。