
ワインについて
【どんなワイン?】
メルロー主体にカベルネ・ソーヴィニヨンをブレンドした赤ワイン。白ワイン同様、果実が極限まで成熟するのを待ってから収穫されます。
干しブドウを思わせる甘みを伴ったタンニン、熟した黒系果実、スパイスの香りに加え、フリウリ特有の冷涼感を感じさせる酸が特徴。横に広がるというよりも、奥へ奥へと続くような複雑さを持ち、長い熟成によってさらに真価を発揮します。
【どんな造り手?】ダミアン・ポドヴェルシッチ
イタリア北東部、スロヴェニア国境にほど近いフリウリ=ヴェネツィア・ジュリア州オスラヴィアにカンティーナを構える、Damijan Podversic。1998年に自身のワイナリーを設立し、リボッラ・ジャッラ、マルヴァジーア、フリウラーノといったフリウリ固有品種を中心に栽培しています。
ダミアンのワイン造りの根幹にあるのは、「畑仕事こそがワインを決める」という哲学です。土壌はフリウリを代表する“ポンカ”と呼ばれる泥灰土と砂岩質土壌。水分保持力に優れ、この土地特有の強いミネラル感をワインに与えます。
彼が特に重視しているのは“種子の成熟”。糖度や果肉だけではなく、種子が完全に成熟するまで収穫を待つことで、その年の気候や土地の個性を最大限に表現しようと考えています。収穫は11月近くまで遅らせることも珍しくなく、完熟した果実にはボトリティス(貴腐菌)が現れることもあります。
収穫後は徹底した選果を行い、果皮・種子と共に60〜90日間の長期マセレーション。野生酵母による発酵後、大樽で約3年、さらに瓶内熟成を経てリリースされます。長い時間をかけることで、果実の厚み、果皮由来のタンニン、骨太な酸、そしてボトリティス由来の複雑な香りが一体となった唯一無二の味わいが生まれます。
ダミアンに大きな影響を与えたのが、同じオスラヴィアの生産者 Josko Gravner です。彼から学んだのは醸造技術ではなく、自然への敬意や、自ら経験することでしか本質は理解できないという価値観でした。
彼のワインは単なる“オレンジワイン”ではなく、土地、時間、ヴィンテージ、そして人間の哲学までも映し出した存在と言えます。