ワインについて
ワインについて
テッラッツェ(Terrazze)
産地:IGT プロヴィンチャ・ディ・パヴィア(ロンバルディア州)
タイプ:赤ワイン
品種:ピノ・ネロ100%
熟成:ステンレスタンクで6カ月
オルトレポーの丘陵を象徴する「村名ワイン(ヴィラージュ)」的存在。フォンターナ、アウローラ、ロッカ、コルヴィーノの4区画のブドウをブレンドし、畑全体の個性を一本に凝縮している。表層は粘土質・シルト質で、下層には砂岩と石膏を含む複雑な地層が広がる。
外観は輝きのあるルビー色。香りにはラズベリーやザクロの赤い果実、スミレ、白胡椒、ハーブの爽やかさが感じられる。味わいは繊細ながらも芯があり、熟した酸がワインに張りを与え、軽やかでジューシーな余韻が続く。
軽めの肉料理やトマト系のパスタ、ミネストローネ、サーモンやマグロなどの脂のある魚、セミハードタイプのチーズと好相性。ピノ・ネロのしなやかさと土地の明るさが共存する一本。
ワイナリーについて
テヌータ・マッツォリーノは、パヴィアの街とブドウ畑を見晴らすコルヴィーノの丘に建つ19世紀の邸宅を拠点とするワイナリーである。創設者のエンリコ・ブラジョッティはフランス家系の出身で、国を超えて散らばる家族が集まる場所を求め、1980年にオルトレポーの地にたどり着いた。この土地を「マッツォリーノ(出会いが生まれる舞台)」と名付け、家族が集うテーブルに美味しいワインが並ぶようにとの思いでワイナリーを設立した。
オルトレポーDOCはミラノから南に約30分の場所にあり、古くからフランスとの関わりが深い地域である。ピノ・ネロやシャルドネといったフランス由来の品種が栽培され、ミラノの食卓を支えてきた。ピエモンテがスプマンテの産地として発展して以降は、ピノ・ネロの供給地としても重要な役割を果たした。その景観や文化から「古き良きピエモンテ(Vecchio Piemonte)」とも呼ばれている。
エンリコの娘サンドラが後を継ぎ、現在は孫のフランチェスカが三代目としてワイナリーを率いている。彼女たちは代々の思いを受け継ぎながら、新しい時代のワイン造りに取り組んでいる。22ヘクタールの畑を改修し、建築家ロレンツォ・ヴェルニの設計による新しい醸造所を建設した。敷地内には果樹園や家畜も共存し、自然と調和した小さな楽園のような環境を形成している。
1980年頃、ピノ・ネロを白ワインとして醸造していた時代に、ピエモンテのジャコモ・ボローニャから「この地は赤ワインとしてのピノ・ネロに適している」と助言を受けた。この言葉がマッツォリーノにとって、そしてオルトレポー全体にとって大きな転機となった。