
ワインについて
【どんな造り手?】ラ・トッレ・アッレ・トルフェ
トスカーナ・シエナの丘陵地に佇むラ・トッレ・アッレ・トルフェは、8世紀に建てられた塔を中心とした歴史ある農園。かつては貴族の別邸として使われていたこの場所を、現当主マニア・カステッリの曽祖父が取得して以来、ワインとオリーブオイルの生産が続けられてきました。
現在は約13haの自社畑を所有し、古くから残るセメントタンクを活かした伝統的な醸造が特徴です。2018年には、キアンティ・ガイオーレの名門ラ・ポルタ・ディ・ヴェルティーネで醸造を担っていたジャコモ・マストレッラが加わり、新たなステージへと歩みを進めています。
この地の特徴は、砂質を多く含む土壌。一般的な石灰質主体のキアンティとは異なり、より柔らかくしなやかなタンニンと、伸びやかな酸、そして素直な果実味を備えたスタイルが生まれます。ジャコモはこの個性を尊重し、過度な樽の影響を避けながら、セメントタンクや古樽、さらには栗樽といった多様な容器を使い分けることで、ブドウ本来の表現を最大限に引き出しています。
クラシックなキアンティの枠にとどまらず、チリエジョーロやコロリーノ、カナイオーロといった土着品種にも光を当てるその姿勢は、トスカーナの伝統と現代的感性をつなぐもの。華美な造り込みではなく、土地の個性と飲み心地の良さを大切にした、日常に寄り添うワインを生み出しています。
【どんなワイン?】ルネッラ
サンジョヴェーゼ主体のブドウを使用し、標高330m、南東から南西向きの粘土石灰および砂質土壌の畑で栽培されるロザート。1960年代と2000年代に植樹されたブドウが用いられている。醸造はステンレスタンクで行われ、年によっては一部をバリックで発酵・熟成することもある。イタリア中部で広く用いられる「サラッソ(セニエ)」と呼ばれる手法で造られるが、2023ヴィンテージはダイレクトプレスで仕込まれている。キュヴェ名は当主マニアの曾祖母に由来し、単なる飲みやすさにとどまらず、しっかりとした旨味と飲み応えを備えたロザートに仕上がっている。