ワインについて
ワインについて
ブラン(Blanc)
産地:IGT プロヴィンチャ・ディ・パヴィア(ロンバルディア州)
タイプ:白ワイン
品種:シャルドネ100%
熟成:フレンチオーク樽で10カ月(バトナージュあり)
北向きおよび北東向きの丘陵地「ランツィーニ」「フォンターナ」「リヴェッタ」区画のブドウを使用。石灰と石膏を多く含む粘土質の土壌が、ワインにミネラルと張りのある酸を与える。低収量(47hl/ha)で収穫された果実を全房で優しく圧搾し、ブルゴーニュ樽で発酵・熟成。
外観は輝きのあるイエローゴールド。香りにはパイナップルやシトロンピール、ヘーゼルナッツ、アカシアの花が広がり、樽由来のほのかなトースト香が調和する。味わいは厚みがあり、柑橘や果実、ミネラルの複雑な層が次第に現れる。豊かな酸と塩味、熟した果実味が一体となり、ヘーゼルナッツを思わせる余韻が長く続く。
ロブスターやカニなどの高級甲殻類、ソースを添えた白身魚料理、旬の野菜を使ったリゾット、熟成したセミハードチーズとの相性が良い。
ワイナリーについて
テヌータ・マッツォリーノは、パヴィアの街とブドウ畑を見晴らすコルヴィーノの丘に建つ19世紀の邸宅を拠点とするワイナリーである。創設者のエンリコ・ブラジョッティはフランス家系の出身で、国を超えて散らばる家族が集まる場所を求め、1980年にオルトレポーの地にたどり着いた。この土地を「マッツォリーノ(出会いが生まれる舞台)」と名付け、家族が集うテーブルに美味しいワインが並ぶようにとの思いでワイナリーを設立した。
オルトレポーDOCはミラノから南に約30分の場所にあり、古くからフランスとの関わりが深い地域である。ピノ・ネロやシャルドネといったフランス由来の品種が栽培され、ミラノの食卓を支えてきた。ピエモンテがスプマンテの産地として発展して以降は、ピノ・ネロの供給地としても重要な役割を果たした。その景観や文化から「古き良きピエモンテ(Vecchio Piemonte)」とも呼ばれている。
エンリコの娘サンドラが後を継ぎ、現在は孫のフランチェスカが三代目としてワイナリーを率いている。彼女たちは代々の思いを受け継ぎながら、新しい時代のワイン造りに取り組んでいる。22ヘクタールの畑を改修し、建築家ロレンツォ・ヴェルニの設計による新しい醸造所を建設した。敷地内には果樹園や家畜も共存し、自然と調和した小さな楽園のような環境を形成している。
1980年頃、ピノ・ネロを白ワインとして醸造していた時代に、ピエモンテのジャコモ・ボローニャから「この地は赤ワインとしてのピノ・ネロに適している」と助言を受けた。この言葉がマッツォリーノにとって、そしてオルトレポー全体にとって大きな転機となった。