
ワインについて
ロッソ・ディ・モンテプルチアーノ “プルニョーロ” 2023
畑
品種:プルニョーロ・ジェンティーレ主体、マンモーロ
樹齢:5〜10年
位置:標高約300m、北東〜北西向き
土壌:中程度の密度の砂質土壌
醸造
全房を除梗後、やさしく破砕
ステンレスタンクで発酵
ガラスコーティングセメントタンクで数か月間熟成
軽く濾過して瓶詰め
備考
1989年から生産されているロッソ。若木由来のフレッシュな果実味と香り高さが特徴。サンジョヴェーゼの明るい果実に、マンモーロ由来のスパイス香が加わる。収穫の翌年3月にリリースされ、軽快で親しみやすいスタイル。
ポデーリ・ボスカレッリ
ポデーリ・ボスカレッリの歴史は1961年に始まる。創業者エジーディオ・コッラーディはジェノヴァやミラノで国際取引に従事しながらも、故郷モンテプルチアーノで高貴なワインを造ることを夢見ていた。彼はチェルヴォニャーノ地区にある半ば放棄された農園を購入し、ワイナリーの基礎を築いた。
その後、娘パオラと夫イッポリート・デ・フェッラーリがワイナリーに加わり、1983年にイッポリートが事故で急逝した後も、パオラは二人の息子ルーカとニコロを育てながら運営を続けた。1988年にルーカが、1996年にニコロが家業に加わり、ワイナリーは新たな発展期を迎えた。政治学を学んだルーカは醸造スタイルを、建築を学んだニコロはセラーや畑の改善を主導し、ボスカレッリはヴィーノ・ノービレ・ディ・モンテプルチアーノを代表する生産者として知られるようになった。現在は所有敷地50haのうち約30haがブドウ畑であり、2023年からはルーカの息子セバスティアーノも加わっている。
畑はモンテプルチアーノ東斜面のチェルヴォニャーノ地区、標高約300mに広がる。谷へと開く地形は風通しが良く、温暖で乾燥したミクロクリマを形成する。土壌は沖積由来の砂礫・砂が中心で水はけが良く、気品とミネラル感のあるワインを生む。
ワイナリーは畑の中央にあり、収穫期には小さな籠で運ばれたブドウが選果・除梗され、木製タンクで野生酵母発酵が行われる。熟成はセメントタンク、ガラスコーティングタンク、大樽(スラヴォニアまたはフレンチオーク)をワインのスタイルに応じて使い分ける。代表的なヴィーノ・ノービレは年間約5万本、リゼルヴァは約9,000本。単一区画のサンジョヴェーゼ100%「イル・ノーチョ」は、深みと複雑性を備えたプレスティージュワインとして知られ、国際的にも高い評価を受けている。
ボスカレッリはロッソ・ディ・モンテプルチアーノ「プルニョーロ」、IGT「ロッソ・デ・フェッラーリ」など、若々しく親しみやすいスタイルのワインも生産しており、いずれのキュヴェにも一貫した品質の高さがある。