
ワインについて
【どんな造り手?】サンジュスト・ア・レンテンナーノ
キャンティ・クラッシコ南端、アルビア川上流を見渡す丘陵に位置するサン・ジュースト・ア・レンテンナーノは、その起源をエトルリア時代にまで遡る由緒ある農園です。中世にはシトー派の女子修道院として始まり、やがてフィレンツェとシエナの境界を守る城塞へと姿を変えました。現在も残る厚い城壁や地下壕は、ワインの熟成庫として活用されており、この土地の長い歴史を今に伝えています。
1914年にマルティーニ・ディ・シガラ家の所有となって以降、家族経営で受け継がれてきたこの農園は、現在も兄弟姉妹によって運営されています。総面積160haのうち約31haがブドウ畑で、標高約270mの丘陵地に広がる畑は、砂、粘土、石灰、火山灰など多様な土壌を含む複雑なテロワールを形成。昼夜の寒暖差が大きく、収穫期には熱波も訪れる厳しい環境が、凝縮感とエネルギーに満ちたブドウを育みます。
栽培は認証を取得した有機農法を採用し、グリーンハーベストによって収量を大きく制限。すべての作業を丁寧な手仕事で行い、ブドウの完熟を徹底的に追求しています。
醸造においては、サンジョヴェーゼを軸にカナイオーロなどの伝統品種を用いながら、セメントタンクや大樽、トノー、バリックを適切に使い分けることで、土地の個性とワインの構造を精緻に表現。クラシックなキアンティ・クラッシコから、単一畑のトップキュヴェ「ペルカルロ」まで、いずれも力強さとエレガンスを兼ね備えたスタイルで高い評価を受けています。
歴史、テロワール、そして人の手仕事。そのすべてが調和した、キャンティ・クラッシコの真髄を体現する生産者です。
【どんなワイン?】フオーリ・ミズーラ
サンジョヴェーゼを主体にカナイオーロやメルロをブレンドしたロザートで、標高270mの粘土石灰質土壌の畑から造られる。赤ワインの発酵途中で果汁を抜き取る「サラッソ(セニエ)」の手法を用い、そこに除梗したブドウを加えて約10日間マセレーションを行うことで、しっかりとした色調と豊かな果実味を引き出している。その仕上がりは一般的なロゼの淡さを超え、やや赤ワインに近い厚みと香りを備えたスタイルで、飲みごたえのあるロザートとなっている。