
ワインについて
エノテカオグラワインセット!
今回のワインセットのテーマは、「黒ブドウと白ブドウのブレンド」。
「赤ワインに白ブドウ?」と少し意外に思われるかもしれませんが、実は昔から受け継がれてきた伝統でもあり、今あらためて注目されている、とても面白いテーマです。
それぞれのワインが、なぜ黒ブドウと白ブドウをブレンドしているのか。その背景を知ると、きっとワインがもっと楽しく、美味しく感じられるはずです。
まずは、そんなお話からお付き合いください。
自宅でイタリア料理を作ってイタリアワインを飲んで二日酔い?になりましょう!
セットなので価格もお求めやすく、さらに送料無料です。(一部地域除く)
小松のプチコラム【赤ワインに白ブドウをブレンド?】
エノテカオグラのワインセットをセレクトするうえで、唯一大切にしていることは、肩ひじ張らずに楽しめるワインを選ぶことです。
飲みやすく、どんな食事にも寄り添い、ワインだけが自己主張しすぎない。気づけば一本空いてしまうような、ホッとする味わい。
そんな農民的なワインには、品種や醸造技術といった細かなことを忘れさせてくれる魅力があります。
「黒ブドウと白ブドウをブレンドする」ワインにも、そんな魅力が詰まっています。
近年、世界中のワイン産地で気温の上昇が大きな課題となっています。
地域によっては30年前より収穫時期が2週間以上早まったと言われ、ブドウは十分な糖度に達しても、種子やフェノールなどの成熟が追いつかないケースが増えています。その結果、アルコール度数だけが高く、食事と合わせにくいワインになってしまうことも少なくありません。
そんな中、あらためて注目されているのが「黒ブドウと白ブドウをブレンドする」という造り方です。
「赤ワインに白ブドウ?」と驚かれるかもしれませんが、実はこれは決して新しい発想ではありません。
白ブドウをブレンドするワインといえば、キアンティを思い浮かべる方も多いでしょう。実際、Chianti DOCGでは現在でも白ブドウのブレンドが認められています。一方で、Chianti Classico DOCGでは現在、白ブドウの使用は認められていません。
黒ブドウと白ブドウを組み合わせる理由は、大きく二つあります。
一つは、昔から続くフィールドブレンドです。
シチリア・エトナの古い畑では、現在でも黒ブドウと白ブドウが同じ畑に植えられているフィールドブレンドの畑が数多く残っています。当時は品種ごとに畑を分けて栽培するという考え方は一般的ではなく、その土地で実ったブドウを一緒に収穫し、一つのワインとして仕立てることが、ごく自然な農民の知恵でした。
もう一つは、現代の気候変動への対応です。
温暖化によってブドウの成熟バランスが変化する中、意図的に白ブドウをブレンドすることで、果実味に軽やかさやみずみずしさを与え、タンニンを穏やかに感じさせるなど、食卓に寄り添う味わいを目指す生産者も増えています。
イタリアだけではありません。フランス・ローヌ地方のコート・ロティでは、シラーにヴィオニエを少量混醸する伝統が今も受け継がれています。赤ワインに白ブドウを加えるという発想は、世界の銘醸地でも古くから培われてきた知恵なのです。
昔から続く知恵と、現代の課題から生まれた新しい挑戦。
アプローチは異なりますが、どちらも目指しているのは、食事に寄り添い、毎日の食卓で自然と楽しめるワインです。
農民たちは、品種の違いよりも、その土地で実ったブドウを自然に受け入れ、一つのワインとして仕立ててきました。
それこそが、本来あるべきワインの姿なのかもしれません。
その土地で育った黒ブドウと白ブドウをブレンドし、その土地の料理とともに楽しむ。そんな素朴で豊かな食文化には、大きな魅力があります。
赤ワインの深みと白ワインの軽やかさをあわせ持つこれらのワインは、ロゼワインのようにシーンを選ばず、肉料理から魚介料理、野菜料理まで幅広い食卓に寄り添ってくれます。
毎日の食事に自然と溶け込み、気づけばボトルが空いている。
そんな「飲むため」ではなく、「食べるため」のワインを、ぜひお楽しみください。
No.1【ロゼ泡】 ローザ・ペル・ヴォイ / ダニエーレ・ピッチニン
ヴィンテージ:2021 ¥4840 品種:ドュレッラ、ピノ・ネーロ
【どんなワイン?】
娘への贈り物から生まれた、心温まるロゼ・スプマンテ。
「パパ、私たちのためのロゼを造って。」
娘エッダの一言から生まれたのが、この「Rosa per Voi(あなたたちのためのロゼ)」です。
上級キュヴェ「Kalipè」のピノ・ネーロと「Epochè」のドゥレッラ。それぞれの品質を高めるために取り分けていたセカンドモストを活かし、新たな個性を持つ一本として誕生しました。
木樽で熟成したピノ・ネーロと、ステンレスタンクで熟成したドゥレッラをブレンドし、瓶内二次発酵後24か月熟成。ノン・ドザージュで仕上げることで、きめ細かな泡立ちと伸びやかな酸、そして黒ブドウと白ブドウが織りなす繊細な調和を楽しめます。
家族や友人と食卓を囲むひとときに寄り添う、ダニエーレ・ピッチニンらしい温もりにあふれたロゼ・スプマンテです。
【どんな造り手?】ダニエーレ・ピッチニン
「ブドウを潰せばワインになる。」その一言から始まったワイン人生。
1980年生まれのダニエーレ・ピッチニンは、もともとレストランでソムリエとして働いていました。しかし23歳のとき、アンジョリーノ・マウレ(ラ・ビアンカーラ)のワインと出会い、その価値観は大きく変わります。
休日になるとワイナリーへ通い、畑仕事や醸造を手伝う中で、アンジョリーノから掛けられた言葉が今も彼の原点となっています。
「ブドウを潰せばワインになる。」
醸造技術よりも、まずは健全なブドウを育てること。そのシンプルな考え方に魅了されたダニエーレは、2006年にレストランを手放し、自らワイン造りの道へ進みました。
祖父ゆかりのムーニ地区で畑を開墾し、現在は標高300〜550mに点在する約7haの石灰質土壌で、ドゥレッラを中心にブドウを栽培しています。
「良いワインは畑で決まる」という信念のもと、自然との対話を何よりも大切にし、生態系全体が調和した畑づくりに取り組んでいます。
No.2【赤】プレーテ・ロッソ / カッシーナ・デル・プレーテ
ヴィンテージ:2024 ¥4620 品種:ネッビオーロ、バルベーラ、アルネイス
【どんなワイン?】
ロエロの食卓を映す、昔ながらのブレンド。
ネッビオーロを主体に、バルベーラと白ブドウのアルネイスをブレンドした、ロエロの伝統的なテーブルワインを現代に表現した一本です。
単一品種の個性を追求するのではなく、それぞれの品種が互いを引き立て合うことで、より自然で調和のとれた味わいを目指しています。ネッビオーロの骨格、バルベーラの果実味、そしてアルネイスがもたらす軽やかさが一体となり、赤ワインでありながら重さを感じさせません。
「ワインの品質は畑で決まる」という哲学のもと、20年以上にわたり自然農法を実践。土地の個性を素直に映した、毎日の食卓に寄り添うロエロらしい一本です。
【どんな造り手?】カッシーナ・デル・プレーテ
ピエモンテ州ロエロ地区、プリオッカ村に位置する家族経営のワイナリー。タナロ川を挟んでバルバレスコと向かい合うこの地域は、かつて地続きだったと考えられており、ロエロ西部に多い砂質土壌とは異なり、バルバレスコと同じ青色マール(石灰質泥灰土)が広がっています。この土壌からは、ロエロらしい親しみやすさを持ちながらも、複雑さと骨格を備えたネッビオーロが生まれます。
ワイナリーの歴史は1977年に始まります。農村から都市への人口流出が進む時代、バルトロメオ・ロアーニャはこの土地の可能性を信じ、ネッビオーロとバルベーラを植樹。当時はブドウ栽培だけでなく、桃の栽培や畜産も営む典型的な農家でした。その後、ロエロの土着品種アルネイスも植え、少しずつ畑を広げていきます。
1995年には二代目マリオ・ロアーニャがワイン造りに専念することを決意し、果樹栽培と畜産をやめてブドウ栽培と醸造に特化。自然農法へと転換し、自社で醸造・瓶詰めを行う体制を築きました。現在は三代目ジョヴァンニも加わり、約10haの畑は2013年から有機認証を取得しています。
「ワインの品質は畑で決まる」という哲学のもと、野生酵母を主体とした発酵や長期のマセラシオンなど、過度な介入を避けた醸造を実践。ロエロの風土を素直に表現するワイン造りを続けています。
No.3【赤】ロッソ・トゥットゥ / イル・モルテッリート
ヴィンテージ:2024 ¥4400 品種:ネロ・ダーヴォラ、フラッパート、グリッロ、ペッリコーネ、インツォリア
【どんなワイン?】
シチリアに残る、フィールドブレンドの伝統。
ネロ・ダーヴォラを主体に、フラッパートやペリコーネ、さらにグリッロやインツォリアなどの白ブドウが同じ畑で育つ、伝統的なフィールドブレンドから生まれるワインです。
品種ごとに収穫日を変えるのではなく、畑全体が最も美しい状態を迎えたタイミングで一斉に収穫し、そのまま一緒に醸造する──そんな昔ながらの農民の知恵が今も受け継がれています。
発酵は野生酵母のみ、熟成はステンレスタンクで行い、土地本来の個性を大切に表現。暑いシチリアでありながら驚くほど軽やかで、魚介料理から肉料理まで幅広い食卓に寄り添う、まさに「畑を味わう」ワインです。
【どんな造り手?】イル・モルテッリート
シチリア島最南東部、ノート渓谷(Val di Noto)のパキーノに位置する家族経営のワイナリー。ワイナリー名の「モルテッリート」は、創業者ダリオ・セッラの曽祖父母が暮らしていた2haの畑の名前に由来します。レストランやダイビングインストラクターとして働いていたダリオは、都会での暮らしを離れ、愛する故郷の土地と海に寄り添う生活を選び、この畑からワイン造りを始めました。現在は約23haまで畑を広げ、家族や仲間とともに日々ブドウ栽培に取り組んでいます。
畑はヴェンディカーリ自然保護区やマルツァメーミ、ポルトパーロといった海辺の町に囲まれたエリアにあり、石灰質を主体とする「白い土」と、有機物を多く含む「黒い土」という二つの異なる土壌を生かして栽培を行っています。ネロ・ダーヴォラやフラッパートは伝統的なアルベレッロ(株仕立て)で育てられ、絶滅が危惧されるフラッパート/ネロ・カピターノの古い系統も接ぎ木によって守り続けています。
ブドウはすべて有機栽培で育てられ、収穫は手作業。発酵は野生酵母のみで行い、熟成には木樽を使用せずステンレスタンクを用いることで、土地や品種本来の個性を素直に表現しています。「ワインは畑で造られる」という考えのもと、人為的な介入を最小限に抑え、シチリアの自然と食文化を映し出す、素直で生命力あふれるワインを生み出しています。