カーゼビアンケは、パスクアーレ、エリザベッタの建築家夫婦が、街での暮らしを捨て、祖父の死後長らく耕作放棄地となっていた農地を引き継いだことに始まります。長寿の里、チレント半島、チレント国立公園の中の小さな村トルキアーラで、ブドウのほか、オリーブ、柑橘、無花果、フィーキ・ディ・インディア、カッルーボ、ミルト、ジュニパー、栗などを栽培している農園は、チレントならではの植物多様性(ビオディベルシタ)を反映しています。カーゼビアンケは、イタリアのナチュラル・ワイン界において、アンチェストラーレ方式(瓶内2次発酵、ノン・ドサージュ)のフリッツァンテで一目置かれたワイナリーです。今でこそ、そこここで見かけるこの種のワインを20年に渡り作っているというのですから、その完成度は半端ではありません。
フィアーノの「ラ・マッタ」、アリアニコの「イル・フリック」は、いずれもナチュラル・ワインであることなど意識させない洗練された仕上がりです。アリアニコとバルベーラの「パシュカ」はやや野暮ったい印象がありますが、難しいロッソのフリッツァンテをこれだけ上手に作っているのは特筆ものです。3種とも野生酵母による発酵、SO2無添加です。