1960年、葡萄栽培農家として設立された「サルタレッリ」。1972年遂に葡萄での販売を止め、自分達で ボトリングまで行うようになった。 現在の当主は「パトリッツィア」「ドンナテッラ」夫妻。彼等は元々パン職人だったが、1989年、父親が亡くなったのを機にカンティーナを引き継いだ。パン造りでもワイン造りでも美味しいものを知ることと感性が大切。あとは仕込みを丁寧にできるかどうか。ワインの仕込みは畑作業。
彼等は100%自社葡萄のみ。自社葡萄という考え方の薄いこの地域では珍しい造り手。 現在、主にこの地域で栽培されている多産性のクローンを使用せずに昔のヴェルディッキオのクローンを復活させて本来のヴェルディッキオの味わいを復活させる活動をしている。
この地域では病気に強く多産なクローン3種が90%を占める。僕等は昔のヴェルディッキオを復活させる為32種類のクローンを混植している。
昔はクローンという考え方自体が存在しなかったので 自然と畑の中で様々なクローンが共存し、熟度、酸度、凝縮度、どれもばらつきがあった。 色々なタイプのクローンの色々な個性が複雑さを与 えてくれる。
単一のクローンでは複雑味は出ない。病気や栽培の手間は少なくなるが、単純な味わいになる。32種類のクローンを畑に混在させることでワインはより複雑味を持つようになった。