エノオグ店長・小松のワイナリー訪問記  シチリア・エトナの造り手「ラ カラブレッタ」へ

エノオグ店長・小松のワイナリー訪問記 シチリア・エトナの造り手「ラ カラブレッタ」へ

 

2025年6月中旬、「小倉シェフと味わう初夏のシチリア美食旅8日間」にスタッフとして同行させていただきました。
シチリアワインは東西南北さまざまなエリアで造られており、それぞれに魅力的な産地がありますが、今回はその中でも「エトナ」にフォーカスしてワイナリーをセレクトしました。

最初にご紹介するのは「ラ・カラブレッタ」です。

パレルモからカステルブオーノを経由してたどり着いたのは、エトナ山北部に位置する人口1万人ほどの小さな街、ランダッツォ。そこに「ラ・カラブレッタ」のワイナリーがあります。ここでは醸造、熟成、瓶詰めまでを一貫して行っており、今回見学の機会をいただきました。
当主のマッシミリアーノさんは不在でしたが、スタッフのサルヴァトーレさんが案内してくださいました。なんと彼は、祖父の代からカラブレッタで働いているとのこと。まさに家族のようにワイナリーを支える存在です。素晴らしい。

私たちは約30名での訪問でしたが、「こんなに多くの人数を案内するのは初めてです…」とのこと。もちろんワイナリーには大型バスを止める駐車場もなければ、ワイン販売所のような施設もありません。世界的なエトナワインの観光とは無縁な、まったく飾らない造り手です。でも、そこが実に魅力的でした。参加者の皆さんも「田舎の家にお邪魔したみたい」と口々に言っていたのが印象的でした。

カラブレッタは、エトナ山の異なる標高や地質の畑でブドウを栽培しています。火山岩質の黒い土壌はミネラルが豊富で、昼夜の寒暖差が大きく、酸のあるブドウが育ちます。乾いた風と溶岩の保温性にも助けられ、アルベレッロ仕立ての自然農法には理想的な環境です。現在は樹齢100年以上の古木を含む12.5ヘクタールの畑を所有し、動力に頼らない伝統的な醸造で、年間約4万本を生産しています。

ワイナリーに入ると、大きなステンレスタンクやグラスファイバータンクがずらりと並び、一部のワインは7000リットルほどのスラヴォニア産オーク樽で熟成されます。
見学後は、10種類以上のワインをご用意いただき、試飲を楽しみました。白はカッリカンテ、ロゼはネレッロ・マスカレーゼ、その他はすべて赤というラインナップ。
樹齢の若い「ガイオ・ガイオ」、自根の「ピエデフランコ」、平均樹齢80年の「ヴェッキエ・ヴィーニェ」、そして平均樹齢110年の「ノンナ・コンチェッタ」など。
カラブレッタの特徴でもあるマイクロ・ヴィニフィケーション(区画別醸造)によって、多様で個性的なワインを試すことができました。



「ランチは用意していないので、何か持参しても構いませんよ」と事前に聞いていたのですが、実際には一口サイズにカットされたトマトソースのピッツァを用意してくださり、これがまた最高でした。
最後に参加者はそれぞれが気に入ったワインを購入し、カラブレッタを後にしました。

日本への輸出量は全体の生産量の約30%にも及ぶそうで、驚くべき数字です。
とはいえ、その多くがすぐに完売してしまうほどの人気ぶり。
今回は、なんとか入手できた赤ワイン2種類をセットにしてご用意します。
どうぞお楽しみに。

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